PFV賞 2025 ランチ会・本家たん熊 本店 京都
さて、今回は4月10日に京都、祇園にある建仁寺・両足院さんにて行われたPFV賞授賞セレモニーに続いて開かれた、ランチ会のことをお話ししたいと思います。
場所は京都でも老舗の料亭、本家たん熊さんにて。”もんも”な料理、京言葉 で「そのまま」を意味する、素材の持ち味を最大限に引き出し削ぎ落とした先の本物の味を提供されています。
伝統的な数寄屋造りの歴史を感じる美しい建物で、鴨川や高瀬川に近い風情あるロケーション。老舗の料亭で敷居が高いイメージを受けますが、入口ではご主人と女将さんが一人一人を丁寧にお迎えしてくださるので、とても温かい気持ちにしてくれます。季節は4月の初め、店内の窓から一望できる鴨川沿いには、ちょうど満開の桜が見頃を迎え、晴れの日に相応しい最高の場所となりました。
こちらも創業から100年続く家族経営の料亭で、現在は4代目にあたるシェフ、栗栖純一さんが若主人として活躍されています。栗栖シェフは京料理だけでなく、日本酒・ワインとのペアリングを追求し、ソムリエ・エクセレンスやA.S.I. ソムリエディプロマをはじめとする数々の国際資格を取得されています。
今回の参加者は総勢で40名を超える為、それぞれ3つのお部屋に分かれてご案内しました。
この日のイベントの為に、PFV12の家族メンバーからは特別に厳選された蔵出しワインが用意されていました。12種類のワインに合わせて、たん熊さんには筍や、山菜、季節のお魚など、京都の春の食材をふんだんに取り入れた特別メニューをご用意頂きました。
テーブルの前には12種類のグラスがズラリと並び、これから始まる懐石料理とPFVワインとのマリアージュを想像するだけで、心が踊らされます。
始めにPFV代表秘書のクリストフより挨拶があり最初のシャンパンが注がれていきます。
前菜の八寸に合わせてシャンパーニュ:
Winston Churchill 2015, Pol Roger, Champagne, France
八寸:筍・紋甲烏賊・独活 木の芽和え 飯蛸 鯛桜寿司
オーナーのユベールからのワインの説明とお祝い🥂の言葉が述べられます。
2皿目のお刺身に合わせて、以下の2種類の白ワイン:
Château Haut Brion Blanc 1996, Domaine Clarence Dillon, Bordeaux, France
Montrachet Marquis de Laguiche 2018, Joseph Drouhin, Burgundy, France
向付:鯛、さより、車海老 あしらい、山葵、赤しそ、造り醤油、すだち、塩
ブルゴーニュ、ドルーアンファミリーのオーナー、フレデリックからワインの説明とお祝い🥂の言葉が続きます。
始めから、モンラッシェとオーブリオンブランという、なかなか普段お目にかかれない豪華な組み合わせの白ワインで、皆ご満悦の様子。
3皿目の椀もの合わせて、以下の2種類の白ワイン:
Châteauneuf-du-Pape Roussanne 2020, Famille Perrin, Rhône, France
Cervaro della Sala 2018, Antinori, Tuscany, Italy
椀物 :油目葛叩き わらび、椎茸、柚子
南フランスのペランファミリーのオーナー、シャールよりワインの説明とお祝い🥂の言葉が送られます。
普段のPFVのワインディナーでは主に赤ワインを用意することが多いのですが、今回は京都の懐石料理ということもあり、6種類の白ワインが登場。ワインセレクションにおいて、とても希少価値の高いランチ会となりました。
4皿目の焼き物に合わせて、以下2種類の赤ワイン:
Unico 2004, Tempos Vega Sicilia, 2004, Ribera del Duero, Spain
Mas de la Rosa 2019, Torres, 2019, Priorat, Spain
焼き物:鱒木の芽焼 一寸豆
スペインのベカシシリアオーナーのパブロと、トーレスファミリーのオーナー、ミレイヤからそれぞれワインの説明とお祝い🥂の言葉が続きます。
5皿目の炊き合わせには、以下の2種類の赤ワイン🍷
Sassicaia 2020, Tenuta San Guido, Bolgheri, Italy
Château Mouton Rothschild 2017, Baron Philippe de Rothschild, Bordeaux, France
炊合&強肴 :筍、伝助穴子 蕗、花山椒 和牛ローストビーフ 万願寺唐辛子 田楽味噌
今回、イタリアのテヌータ サングィド家とボルドーのロスチャイルド家からは参加されなかったので、クリストフが代表してワインの説明をしました。
6皿目の蒸し物に合わせて以下の白ワイン:
Riesling Schoelhammer 2009, Famille Hugel, Alsace, France
蒸物 :うずら饅頭 菜花 白こしょう
アルザスのヒューゲルファミリーのオーナー、ジャン・フレデリックよりワインの説明とお祝いの言葉が述べられます。
7皿目の酢の物に合わせて以下の半甘口の白ワイン:
Schwarzhofberger Kabinett 1994, Egon Müller, Mosel, Germany
酢の物 :平貝、鳥貝 うるい、三杯酢、土佐酢ジュレ、穂紫蘇
ドイツのエゴン・ミュラーのオーナー、エゴンはなんと、日本語でワインの説明とお祝いの言葉が述べられ、彼の語学力の凄さに皆👏喝采でした!
最後のデザートに合わせて、ポルトガルの甘口ポートワイン:
Graham’s 50 Years Old Tawny Port, Douro Valley, Portugal
御飯 :豆ごはん 赤だし味噌汁 香の物
水物 :自家製あんみつ いちご、寒天 つぶあん、黒みつ
シミントンファミリーのオーナー、シャールよりワインの説明とお祝いのお言葉で締めくくられました。
最後のデザートが終わりの頃に、シェフ栗栖さんが登場。各テーブルにご挨拶して頂きました。
シェフの登場に、一同から拍手の連続。美しいお料理とワインで気分も上がってきたメンバーより、皆ブルゴーニュの歌、Ban Bourguignonで改めて乾杯とお祝い!
シェフは普段から京料理とワイン、日本酒のペアリングを深く追求されているだけあり、PFV12種類のワインとご自身の魂を込めた京料理とのマリアージュは本当に美しく完璧でした。
また、シェフは旅行がお好きでこれまで沢山の国を訪れています。世界の多様な文化、人々に接してきた経験を活かして、その多様性を尊重し誰もが楽しめる京料理を目指しておられるので、ヴィーガンやハラル、小麦アレルギーの方々への対応も柔軟に対応できる素晴らしいシェフです。伝統を重んじながらも、革新を恐れず挑戦を続けるその料理には、時代を超えて愛される京料理の真髄が息づいていると感じました。
そして今回のワインを担当してくださったのは、京都中の有名レストランから選ばれたトップソムリエの方々7名。12種類のワインを初めから終わりまで、本当に完璧な状態とタイミングの、素晴らしいサービスでした。
本家 たん熊さんでは、食材の「そのまま」を活かした京料理を、味・演出・飲料すべてにおいて「その日その時のお客様に最高のものを」と丁寧に提供するスタイルが貫かれています。何より、家族経営ならではの栗栖ファミリーの温かいおもてなしの心が、お店に入った瞬間から感じられます。京都には名だたる名店が数多くありますが、今回のPFV賞イベントの締めくくりとなる重要なランチ会を、本家たん熊さんでさせて頂いて本当に良かったです。改めまして、今回の堤ファミリーの受賞を心よりお祝い申し上げます。このイベントでお世話になったすべての皆様、両足院様、本家たん熊の皆様、ソムリエチームの皆さん、そしてメディア担当として最初から最後までサポートしてくださった株式会社電通様と株式会社イニシャルのチームの皆さま、とてもプロフェッショナルで心強いサポートをどうもありがとうございました。